正しい知識で正しいサーバーの導入を サーバーとは?概要や種類、メリット・デメリットを解説
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企業がWebサイトを持つことが当たり前となった昨今。そんなWebサイトと切っても切れない関係にあるのがサーバーです。サーバーについてある程度の理解はあるけど、種類やそれぞれの特徴は十分に理解していないという方は多いのではないでしょうか。
本記事では、サーバーについてネットワークとクライアントの両側面から説明したうえで、サーバーの種類やそれぞれのメリット・デメリットを解説します。新しくサイトを制作する方や、サイトリニューアルによりサーバー変更を検討している方は必見です。
目次
サーバーとは?
サーバーは、ネットワークを通して他の端末に情報などを与えるコンピューターです。一般的に使用されているパソコンとの差は大きくありませんが、Webサイト運営専用のサーバーを搭載しているなど、サービスを提供する企業側のコンピューターとしての役割を果たします。主にファイルの共有や保存などに使われる保管場所や、情報処理、コンテンツ提供などを行います。
サーバーについて理解するために、まずはネットワークとクライアントという概念を解説いたします。これらは相互に影響しあっており、概念を把握することでサーバーへの理解も深まります。
まずネットワークとは、端末と端末が通信環境下で繋がっている状態を指します。インターネットが最たる例で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末は通信によって繋がっています。これは当然、身近な場所だけでなく世界中で網羅されています。このように多くの端末が、通信空間で繋がっている状態のことをネットワークと呼びます。
なお、サーバーはネットワーク上にあります。
クライアントは端的に言えば、何かを受け取る端末のこと。例えば、AとBというそれぞれのパソコンがケーブルによって繋がっている場面を想像してください。これらは互いに通信しています。インターネットのような世界規模のつながりではないものの、複数の端末が繋がっていることから、こちらもネットワークといえるでしょう。
そして、ある人が「Aというパソコンを使ってBというパソコン内のファイルを見る」という操作を実行します。そのとき両者には、「サーバー」と「クライアント」という関係が発生します。何かを与える(サーバー)役割をもつパソコンBと、何かを受け取る(クライアント)役割をもつパソコンAという構図です。
例えばウェブページで写真を閲覧するとき、あなたのパソコンはクライアントであり、リクエストした写真を提供する側のパソコンがサーバーとなります。
サーバーの役割
先述の通りデータを与える役割のあるサーバー。与える以外にも、多くのデータを格納する役割も担っています。ネットワーク上の「土地」と考えると分かりやすいでしょう。このときWebサイトやブログが「建物」となります。
Webサイトの訪問者(クライアント)は、インターネット上の住所を管理するサーバーにWebサイトの住所を求めます。クライアントは、ページデータを保有するサーバーにデータを得るためのリクエストを送信します。送信データをもとにクライアントはページを表示するという仕組みです。
サーバーの種類
サーバーの種類は、大きく分けて下記の4つの種類があります。これらは共用か専用か、あるいは物理的に存在しているのか、仮想環境にあるのか、などの違いがあります。それぞれについて具体的に解説します。
・レンタルサーバー(共用)
・レンタルサーバー(専用)物理
・VPSサーバー
・クラウドサーバー
レンタルサーバー(共用)
レンタルサーバー(共用)とは、サーバーを複数の人々で共有しているレンタルサーバーのことをいいます。
例えるなら、シェアハウスを借りている状態といえるでしょう。共用サーバーは、次に紹介する専用サーバーに比べ運用費用が安くなります。なお、こちらのサーバーは物理サーバーといって、実体があります。
レンタルサーバー(専用)
レンタルサーバー(専用)は、サーバー1台を独占して使用しているレンタルサーバーのことをいいます。
1台のサーバーを1つのユーザーで利用できるため、使用できるストレージの容量が大きく、CPUやメモリを独占利用することができます。
例えるなら、一戸建ての家を全て借りている状態といえるでしょう。専用サーバーも実体のある物理サーバーであり、共用サーバーに比べ費用がかかるものの、他の利用者の影響を受けることなく独占できるという特徴があります。
VPSサーバー
VPSとは、「Virtual Private Server」の略称。バーチャルという言葉通り、いわゆる仮想サーバーになります。
1台の物理サーバーの上に構築されたサーバーです。物理サーバーがインストールされているOS上に、ユーザーが割り当てられることで使用できるという仕組み。物理サーバーをレンタルしているように感じますが、物理サーバーのOSとは別のOSがインストールされているため、管理権限を持って操作することができます。
例えるなら、分譲マンションを購入し利用している状態です。
クラウドサーバー
クラウドサーバーは、VPSと同様に仮想サーバーをレンタルして利用します。
ただ、CPUやメモリ、ストレージを自由に決めることができ、後からの変更も可能という特徴があります。クラウドサーバーはAmazon.comが提供する「AWS(Amazon Web Service)」が有名で、近年加速度的に増加しています。
それぞれのサーバーのメリット・デメリット
ここでは上記で紹介したそれぞれのサーバーについて、メリットとデメリットを解説します。
レンタルサーバー(共用)のメリット・デメリット
レンタルサーバー(共用)のメリットは、何よりも価格が安いという点。今回紹介する中でも一番安価で、サーバーの知識がほとんどなくても利用できるというメリットがあります。
一方でデメリットには、サーバーを共有しているため設定やストレージなどを自由に変更できないという点があります。また、他の利用者がネットワーク利用過多となった場合に影響を受けやすい点もデメリットといえます。レンタルサーバー会社のプランで容量を増やすことはできますが、専用サーバーよりは自由度が低いといえるでしょう。
しかしWebサイトを制作する上では、共用のレンタルサーバーで十分対応が可能です。
レンタルサーバー(専用)のメリット・デメリット
レンタルサーバー(専用)のメリットは、他の利用者の影響を受けることなくサーバーを利用できる点。これは専用ならではのメリットといえるでしょう。また管理者権限を付与されるため、自分の好きなアプリケーションをインストールできたり、サーバーの設定を変えることが可能です。
デメリットには、サーバーの運用や構築を個人で行うため費用がかかる点というが挙げられます。また専用サーバーでも回線が共有されていることがあり、この場合は他のサーバーの回線状況によっては通信の影響を受けます。
VPSサーバーのメリット・デメリット
VPSサーバーのメリットは、仮想サーバーを利用するため、アプリケーションを選択できたり、サーバーの設定を比較的自由に行えたりと、選択肢が広い点です。また仮想サーバーごとに利用できるハードディスク容量が割り当てられるため、専用利用が可能で、他者からの影響を受けにくいというメリットもあります。
一方で仮想サーバーの構築や設定、運用を個人で行う必要がある点はデメリットといえます。導入時や運用コスト、手間がかかるという点も挙げられます。
クラウドサーバーのメリット・デメリット
クラウドサーバーのメリットには、CPUやメモリなどを拡張・縮小できるため、自由度が高い点が挙げられます。サービスによっては、アクセス負荷が上がった時に自動的にスペックを上げる機能もあるため、サーバーダウンによって機能不全になることを防げます。
一方のデメリットは、やはり費用が高額になる点。従量制のため、大きな処理や通信が増えた場合には料金が高額になります。計画が立てづらい点もデメリットでしょう。
アクセス数などに準じて適切なプラン・サーバーを選択
それぞれのサーバーについて紹介しました。各サーバーにはメリット・デメリットがあり、その特徴も様々。適切なサーバーを選ばなければ、サーバーダウンに繋がったり、管理コストが負担になったりと障害があります。
ただ、コーポレートサイトではレンタルサーバーで問題ありません。企業向けに様々なプランが出ているため、アクセス数などに準じて適切なプラン・サーバーを選択しましょう。
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