UI/UXの改善でユーザー満足度UPへ UI/UXとは?それぞれの違いと設計時に重視すべき視点
- 公開日
この記事は7分ほどで読めます
UIとUXについて、正しく理解できていますか?できているという方は、あまり多くない印象を受けます。実際に両者は深い関係にあり、混合してしまうのも無理はありません。
本記事では、UIとUXについて解説したうえで、両者の概念的・具体的な違いをご紹介。UI/UXに精通していない方に説明する際のポイントも合わせて解説します。
目次
UI(ユーザーインターフェイス)とは
UIは「ユーザーインターフェイス(User Interface)」の略称。インターフェイスとは英語で「接点・接触」などの意味があり、つまり「ユーザーが目にするモノ(デバイス)」がUIの意味となります。
Webサイトの場合はパソコンやスマホ、タブレットなどに表示されるデザインや画像などがこれにあたり、製品であれば外観や製品本体など、ユーザーが目にするモノ全てがUIとなります。
Webサイトでいえば、例えばボタンなどで変化が見られます。以前はグラデーションなどを含む検索ボタンでしたが、次第にシンプルなものになり、最近ではまた角を丸めたり立体感をつけるなどのデザインが注目されています。
これは、Web閲覧が「パソコン主流」からスマホやタブレットなどの「モバイル端末主流」へ流れていることにより生じた変化といえます。今後も端末によってUIの変化が起きることでしょう。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
UXは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略称。エクスペリエンスとは英語で「体験・経験」などの意味があり、「ユーザーが製品やサービスなどを通して感じる体験や経験」がUXの意味となります。
例えばあなたがWebサイトを閲覧しているとき、見やすかったり、使いやすかったりしたとします。するとあなたは、当該Webサイトについて下記のように感じるのではないでしょうか。
・デザインが綺麗
・フォントが読みやすい
・情報が整理されている
・表示スピードが早い
・お問い合わせフォームの場所が分かりやすい
こうした商品やサービスを通して感じた思いが、全てUXとなります。
近年のUX改善の例では、スマートフォンが挙げられます。
スマートフォンは、人々が使いやすいようにだんだんと「軽くて薄くて大きいもの」が主流となりつつあります。またパスワードを入力する手間を省くために、「顔認証」「指紋認証」などの技術も導入。さらには一眼レフカメラ並みの写真が撮れるようになり、財布の代わりとなるなど、ユーザーがスマートフォンを通して体験できるものは多数あります。これら全てがUXであり、ユーザーの満足度向上のためにUXも常に変化しているのです。
UIとUXの違いとは
前述でUIとUXの概要と大まかな違いは分かりましたが、一方で似ている要素もあります。下記では両者の違いを具体的な点と概念的な点で紹介し、双方が同時に語られる理由を解説します。
具体例でみるUIとUXの違い
UIとUXがそれぞれ、「ユーザーの接点」「ユーザーの体験」となることは前述の通り。では具体的なモノを参考に、両者の違いを解説します。
例えば新聞。新聞におけるUIとは「紙面」という接点を指します。紙面が見やすくなければ、長く読んでいくことは難しくなるでしょう。一方でUXは、「毎日最新の情報が届く」という経験。このことから、接点と体験の違いが分かるでしょう。
次にパソコン。パソコンの接点は「キーボード」であり、キーボードが打ちやすくなければ継続してパソコンを使用してもらうことは難しいですよね。他方で経験は、「キーボードを使用してパソコンに日々文字を入力すること」です。
最後に紹介するのはアパレル業界の接客。アパレル業界の接客をUI(接点)に変換すると、「お客さまのニーズに合った洋服の提案」となります。一方のUX(体験)は、「楽しく快適に買い物をしてもらうこと」です。
UIとUI/UXとUXの違い
UIとUXとともに、「UI/UX」という表記を見たことはありませんか?詳しくは後述しますが、両者は密接な関係があり、切っても切れない関係。ひとまず3つの違いについて、概念的な理解を深めていきましょう。
・UIデザイン
UIデザインは操作のデザインと言われています。操作したときに起きることをデザインし、Webサイトでいえば、ページ上で起きることをデザインすることを指します。画像や文字などの動かないもののみならず、ボタンの押し心地やトランジションも含みます。
・UI/UXデザイン
UI/UXデザインは、行動のデザインと言われています。最終的なUXを達成するために、UIをどのように考えるのかをデザインし、体験におけるバリューをどう高めるか、どう伝えるかといったことを考えていきます。UIデザインのようにWebページのみを考えるのではなく、ウェブページの外(端末や端末の性能)を含めた理解が必要です。
・UXデザイン
UXデザインは、これまで述べたように体験のデザインです。製品やサービスを通してどのような体験・価値が提供できるのかを考えます。コンセプトや理念などを検討し、サービスに取り入れる工程もここで行われ、当該製品やサービスが世に提供されることで、どのような変化が起こるのかを考えることが重要です。
このように、UIとUI/UX、UXには目的とするものに違いがあります。
UIとUXの関係
UIとUXは同時に語られることから、混合して考えている方も多いでしょう。それもそのはず、UIはUXを高めるための要素でにあるためです。
例えば、下記のような感情を抱いたことは誰でもあるでしょう。
「Webサイトを開いた瞬間に見にくいと感じた」
「製品を触っていてしっくりこない」
これらはUIにデメリットがある場合が多く、デメリットが多ければユーザーは良い印象を持つことが難しくなります。そのため画像や文字など、機能とは直接関係ないところでも入念に設計することが重要。つまり、良いUXを実現するには良いUIが必要不可欠という意味です。
一方でUIに注力すれば必ずUXが向上するという安易なものではありません。あくまでUIはUXの一要素であり、UXの向上には複数の要因が絡みます。
重要なのは、「ユーザー視点に立って、ユーザーがどのような気持ちになるのか考えた上でUI/UX設計すること」です。そのため、UIとUXを過度に線引きしないことが重要なのです。UIとUXが混合されがちな原因は、両者が相関関係にあるためでしょう。
UXを人に伝える際に考えるポイント
前項まででは、「UIも大事だけど何よりUXが最重要だ」ということをお伝えいたしました。一方でUI/UXデザインに精通していない方は、UXの重要性を認識していない場合があります。そこで下記では、UXデザインの重要性を伝える際のポイントを解説します。
①UIを改善したからといって必ず結果が出るわけではない
ユーザーが商品やサービスを購入するとき、UIが最終的な決定要因になることは少ない印象。過去を振り返っても、UIに多少の問題があろうともUXが確かであれば選ばれやすい傾向にあります。
つまり、競合他社に真似できないような体験=UXを提供することが最重要なのです。
②UIで差別化は困難
優れたUIであっても、現代の技術では簡単に真似できてしまうため、長期的にUIだけで差別化するのは難しいでしょう。新規参入者は良いサービスを真似て成長していきます。最初に真似されるのは、比較的容易なUIデザインの部分であることは言うまでもありません。
一方UXは、緻密な戦略と仕組化が必要なため、初期の労力はかかるものの簡単に真似することが容易ではありません。その分、UXに費やした戦略や仕組みは後々効果を発揮し、他社との差別化を図ることができるでしょう。
まとめ
UIとUX、ひいてはUI/UXは、自らの商品やサービスを提供するうえで非常に重要な概念です。UIはUXを向上するための1要因ということを認識しつつ、両者をシームレスに考えられる企業は、今後もうまくいくでしょう。
おすすめ記事