初めての方でも安心 自社のホームページ(Webサイト)をリニューアルしたい!作業の進め方や注意点を解説
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ホームページは、会社の玄関口と言っても過言ではないほど重要なものです。デザインが古くなった、新しい機能を追加したい、ユーザーに使いやすい構造にしたいなど、リニューアルを検討する理由はいろいろあります。とはいえ、ホームページのリニューアルは「やろう!」と思い立ったらすぐに実行できるものではありません。「何から手を付けていいのかわからない」「注意点はある?」「予算はどのくらい?」といった疑問が次々浮かんできますし、既存のホームページに掲載されている情報のうち残すものを決めたり、新しいホームページのレイアウトを考えたりする必要があります。
そこで本記事では、ホームページのリニューアルの進め方と注意点、期間や費用の目安などについて詳しく解説します。
目次
ホームページのリニューアルとは?どのようなことをするの?
ホームページのリニューアルとは、既存のサイトを新しくすることです。ホームページを閲覧している人の利便性を向上させたり、自社やブランドのコンセプトをわかりやすく反映させたりするために行ないます。主なリニューアル内容として挙げられるのは、デザインの刷新、機能の追加、最新バージョンへの対応などです。
リニューアルと似た意味の言葉に、「更新」と「改修」というものがあります。同じようなニュアンスに聞こえますが、更新はサイトの一部ページの情報を変えること、改修はデザインの一部変更や機能の一部変更や追加といった技術面での刷新を指していると考えてよいでしょう。更新も改修もサイトの一部分のみを新しくするのに対し、リニューアルではデザインもサイトの構造も全面的に新しくする場合が多いです。
ホームページのリニューアルの進め方を11ステップで紹介
ホームページをリニューアルするには、たくさんの手順を踏む必要があります。まずは全体の作業の進め方をざっくりと把握しましょう。
POINT -ポイント-
1.ホームページをリニューアルする理由を明確にする
2.現在のホームページの問題点を洗い出す
3.現在のホームページの問題点を解決する方法を考える
4.サイトマップを作成する
5.ワイヤーフレーム・原稿を作成する
6.必要な原稿・画像・素材を用意する
7.デザイン・コンテンツを作成する
8.コーディング・開発を行なう
9.動作確認・テストを実施
10.リニューアルしたホームページの公開
11.ホームページの分析・運用
ステップ1.ホームページをリニューアルする目的を明確にする
ホームページをリニューアルする際によく挙げられる目的は、集客や採用、業務改善などです。ホームページを閲覧する人のペルソナ、ホームページをリニューアルする理由、閲覧者が見るページの内容・デザイン、閲覧者にどのような行動を取ってもらいたいのかを考えます。
同時に、KPIも設定します。KPIとは「重要業績評価指標」のことで、ホームページのリニューアルによる効果や目標値を達成するまでのプロセスを評価するための重要な指標です。リニューアル後のホームページのアクセス数・成約率・滞在時間などの目標を設定します。
自社だけでリニューアルの目的を明確にするのが難しい場合は、制作会社に相談するのもひとつの手段です。制作会社に相談すると、問題点を洗い出すところから一緒に作業してもらえます。制作会社に声をかけるときは、RFP(提案依頼書)も用意しておくことをおすすめします。
ステップ2.現在のホームページの問題点を洗い出す
自社のスタッフに実際に操作してもらったり、ユーザーを対象としたアンケートを実施したりして、現在のホームページの問題点を洗い出します。アクセス解析のデータも用い、閲覧数・滞在時間・ユーザー・流入経路などを客観的に分析し、ユーザーニーズや既存ホームページの課題を見つけるのもよいでしょう。
既存ホームページの状況を確認すると、以下のような問題点がよく見つかります。
・メニュー項目が多すぎて使いにくい
・文字数が多くて読みづらい
・知りたい情報が見つからない
・知りたい情報が掲載されていない
・お問い合わせが少ない
・更新しにくい・更新のたびに費用がかかる
問題点を洗い出すことで、今後のリニューアルの方向性をある程度固められます。既存ホームページを隅々までチェックし、課題を明確にしてみてください。
ステップ3.現在のホームページの問題点を解決する方法を考える
ステップ2で明確になった問題点をもとに、解決策を考えます。解決策の一例を、以下の表にまとめてみました。
問題点 | 解決策 |
---|---|
メニュー項目が多すぎて使いにくい | ・項目を減らす・まとめる ・ドロップダウンメニューを使う |
文字数が多くて読みづらい | ・文字を減らす代わりに図や写真を多くする ・動画や表を活用する |
知りたい情報が見つからない | ・検索機能の強化 ・情報への動線の見直し |
知りたい情報が掲載されていない | ・追加で掲載する内容を用意する ・流入キーワードからニーズの高いコンテンツを検討する |
お問い合わせが少ない | ・フォームの入力項目を再考する ・CVボタンの位置や導線を見直す ・SEO対策・ウェブ広告でアクセスを増やす ・「資料ダウンロード」のようなお問い合わせ手前のCVを検討する |
更新しにくい 更新のたびに費用がかかる |
・CMSで自社が更新できるようにする |
制作会社へリニューアルを依頼するとき、CMSをカスタマイズして自社スタッフが操作しやすいフォーマットにしてもらうと、専門的な知識がない人でも更新できるようになります。自社でどのような項目を更新・運用していきたいのかをあらかじめ検討し、要望を制作会社に伝えてみてください。
また、同時にKPIの達成プロセスや対策も考えましょう。初期の段階からリニューアル後の運用も想定して解決策を練ることで、アクセス数増加や成約率アップなどのより高い効果を狙えるようになります。
ステップ4.サイトマップを作成する
制作会社によっては、サイトマップの作成も請け負っているところもあります。一度社内で検討したい場合は、まずは自社でサイトマップのたたきを作り、その後で制作会社にブラッシュアップしてもらうことも可能です。ホームページのリニューアルに充てられる人的リソースや、リニューアルでこだわりたいポイントなどをもとに、対応を考えてみましょう。
ステップ5.ワイヤーフレーム・原稿を作成する
ステップ6.必要な原稿・画像・素材を用意する
商品情報・会社情報・採用情報などに関しては、担当部署への確認や協力要請が必要なケースもあります。文章の執筆や動画の撮影編集をクリエイターに外注する場合は、外注先も探さなければなりません。
制作会社によっては写真や動画の撮影、原稿の校正と編集なども請け負ったり、ライターを手配したりできるところもあります。自社で準備する余裕がないときは、制作会社に一任するのもひとつの手段です。素材の作成には時間を要するため、スケジュールに余裕を持たせておくことをおすすめします。
ステップ7.デザイン・コンテンツを作成する
ワイヤーフレームと素材が揃ったら、デザインに取り掛かります。ワイヤーフレームをもとに、デザイン上で文章・図・画像・動画などを挿入し、ホームページを作成します。基本的には制作会社が担当する作業であるため、依頼主側で専門的な作業をすることはあまりありません。定期的に制作会社と連絡を取り、サイトマップ通りに作成されているか、イメージ通りのデザインになっているかを確認するようにしましょう。
デザインは、トップページ・下層数ページからサイト全体の方向性を決め、他のページに展開するのが一般的な流れです。担当者レベルでOKを出して進めてしまい、決裁権を持つ上司が確認しておらず制作会社にやりなおしを依頼すると、スケジュールの遅延や追加費用といったトラブルが発生することもあります。しっかりと社内確認をした上で、制作会社にデザイン制作を進めてもらうようにしましょう。
ステップ8.コーディング・開発を行なう
ステップ9.動作確認・テストを実施
コーディング・開発が完了したら、リニューアルしたホームページの公開まであと少しです。公開する前に、ホームページが正常に動くか確認しましょう。動作確認・テストでは、以下のような項目をチェックします。
・デザインは再現できているか
・機能がきちんと動くか
・各ページは正常に表示されているか
・各ブラウザで表示が崩れないか
・モバイル端末へ対応できているか
不具合が見つかった場合は、制作会社やエンジニアに修正してもらいます。閲覧者に快適に利用してもらうため、少しでも気になることがあったら開発元の制作会社に相談することをおすすめします。
ステップ10.リニューアルしたホームページの公開
テストをクリアしたら、いよいよリニューアルしたホームページの公開です。事前にホームページがリニューアルオープンすることを告知し、話題性を高めておくのもよいでしょう。プレスリリースサイトを活用したり、自社のSNSやリニューアル前のホームページで宣伝したりしてみてください。
ステップ11.ホームページの分析・運用
リニューアルしたホームページを公開しても、すべての作業が完了するわけではありません。公開後に異常が発生していないか確認したり、アクセス状況や成約率を分析したりして、自社のために活用します。ホームページのリニューアルはむしろスタートラインであると考え、長期的な目線で効果的に新しいホームページを運用することが大切です。
以上の11ステップ流れを頭に入れて、リニューアルの段取りを詳しく追っていきましょう。
ホームページのリニューアルを決めるタイミング
ホームページのリニューアルを決める理由は、利便性の低下や最新版のブラウザへの対応など会社によってさまざまです。多くの会社がホームページのリニューアルを決めるタイミングを確認してみましょう。
・ホームページのデザインが古くなった
・最新バージョンのブラウザに対応できていない
・スマートフォン、タブレットに対応できていない
・アクセス数、閲覧数が低下している
・サイト構造がわかりにくい、使いにくい
・新しい機能を追加し利便性をあげたい
・掲載情報をもっと充実させたい
・ブランディングを強化したい
・ウェブアクセシビリティに対応したい
ホームページのデザインが古くなった
ホームページのデザインは、閲覧者にとっての見やすさや使いやすさに直結するものです。自社のホームページのデザインが古く、ユーザビリティが低下していると感じたときは、リニューアルを決めるタイミングだと考えられます。
ホームページのデザインにはある程度の流行があり、3〜5年間隔で変化する傾向にあります。競合他社が新しいデザインのサイトを公開しているにも関わらず、自社のホームページはあまりにも古いままだと、閲覧者には「今も営業しているのかな?」「少し見づらい」と感じさせてしまうかもしれません。
ホームページのデザインが必ずしも流行に則ったものである必要はありませんが、先進性のある業界などではブランディングや信頼度の向上にも繋がります。自社のホームページのデザインが閲覧者にどんな印象を持たれるか、競合他社のサイトと見比べてみましょう。
最新バージョンのブラウザに対応できていない
ブラウザは常にアップデートを繰り返しており、例えばWindowsで主流だった Internet Explorerは2022 年 6 月にサポートを終了し、Microsoft Edgeという新しいブラウザに変わっています。ホームページが古いままだと、新しいバージョンのブラウザに対応できず、サイトのデザインが崩れてしまう可能性があります。画像が正常に表示されなかったり、サイドバーやグローバルメニューが変な位置にあったりすると、顧客が離れていったり新しい顧客を獲得する機会を逃したりしてしまうかもしれません。
また古いブラウザにはセキュリティ上の問題もあり、不正アクセスやデータの改ざんだけでなく、他社へのサイバー攻撃の踏み台として悪用される事態も起こり得ます。デザインは問題なくても、最新のブラウザに対応し、サイトの安全性を高めるためにリニューアルする会社もあります。
スマートフォン、タブレットに対応できていない
近年は、スマートフォンやタブレットからホームページにアクセスすることが当たり前になりました。使用する端末に応じてホームページのレイアウトを切り替え、どの端末からでも閲覧しやすいように、リニューアルでレスポンシブ対応が必須になってきています。
2018年にはGoogleが「モバイルファーストインデックス」を導入し、モバイルサイトの中身をもとにモバイル版とPC版両方の検索順位を決めるようになりました。どれだけよいサイトを作っても、モバイル端末に対応できていないとGoogle検索では表示されにくい状況になっているため、スマートフォンやタブレットへの対応は急務と言えるでしょう。
ただし、スマホ対応にするとページの表示速度が遅くなる可能性もあります。リニューアルを依頼する制作会社と相談しながら、モバイル対応と表示速度を両立したホームページを作成することが大切です。
アクセス数、閲覧数が低下している
ホームページ内の情報が古く、閲覧者が知りたい情報が載っていないと、アクセス数や閲覧数が低下しやすくなります。アクセス数の低下を放置しているとホームページの信頼度が下がり、Google検索での表示順位も下がりやすくなります。見る人が更に減少し、問い合わせ数も落ちていくという悪循環に陥る可能性もあるため、早めに対策することが大切です。
Googleアナリティクスのような分析ツールを使い、アクセス数が低下した理由を探ってみてください。自社ホームページのアクセス数が減少傾向にあったら、リニューアルを検討するとよいでしょう。
サイト構造がわかりにくい、使いにくい
こまめに情報を追加しているホームページではサイト内の情報量が多くなり、かえって使いにくくなっているケースがあります。サイドバーの項目が増えすぎたり、何回もリンクをクリックしないと必要な情報に辿りつけなかったりすると、ユーザビリティ(閲覧者にとっての使いやすさ)が低下し、「使いにくいな」と閲覧者が早々に自社ホームページを離れてしまうかもしれません。
リニューアル前のホームページの構造がわかりやすいか否かは、トップページから3クリック以内ですべてのコンテンツに到達できることを基準に調べてみましょう。構造が複雑な場合は、リニューアルを検討するサインです。短い操作時間で必要な情報を見つけられることで、閲覧者の離脱率の低下や滞在時間の長時間化による、自社ホームページの上位表示が期待できます。
新しい機能を追加し利便性をあげたい
ホームページ制作に関する技術は日々進化しており、ユーザーの使いやすさをさらに向上させられる機能が次々登場しています。かつては「これで十分だろう」と思っていても、今ホームページを見ていると「この機能も追加したい!」と思う場面があるでしょう。新しい機能を追加して、利便性を上げるためにホームページをリニューアルする企業も存在します。
掲載情報をもっと充実させたい
企業活動を続けていると、事業の幅が広がったり、商品・サービスの種類が増えたりすることもあります。全体の構成を考えないまま、やみくもに情報を古いホームページに掲載すると、ホームページのレイアウトが煩雑になって知りたい情報を見つけにくくなるほか、情報や画像が重くて動作が遅くなる事態が発生するかもしれません。掲載する情報を整理し、利便性を保つためにも、ホームページのリニューアルは有効です。
ブランディングを強化したい
ブランディングを強化するために、ホームページをリニューアルすることもあります。50周年や100周年のくぎりで会社のイメージを一新する、といった場合もリニューアルは有効です。ホームページが古いままだと、ブランドの魅力を最大限伝えきれず、競合他社に顧客を取られてしまう可能性があるためです。
また技術の進歩や新しい表現法の登場により、自社のブランドにより適したイメージを提供しやすくなったことも、ブランディングを目的としたホームページのリニューアルの理由として挙げられます。
ウェブアクセシビリティに対応したい
ウェブアクセシビリティとは、ホームページがユーザーにとってアクセスしやすい状態のことです。2024年6月より、全事業者を対象にウェブアクセシビリティが義務化されることが決定しており、コンテンツのわかりやすさやの向上や互換性の確保などが求められています。動画にナレーションや字幕をつける、文字の色と背景を読み取りやすい組み合わせにする、音声で読む利用者にもわかりやすい画像にするなど、ユーザーに寄り添ったサイトづくりがポイントです。
詳細はこちらの記事で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
以上9項目のような理由に当てはまるときは、リニューアルの目安としてご検討ください。
ホームページをリニューアルする間隔はどのくらい?
ホームページのフルリニューアルは、3〜5年に1回のペースで行なう会社が多い傾向にあります。マーケティング戦略の中長期計画が切り替わるタイミングを機に、ホームページも新しくしているようです。機能面やセキュリティ面からも、3〜5年に1回の間隔で刷新または見直しをするのがよいでしょう。
新商品やキャンペーンのお知らせ、情報の追加といったコンテンツの更新は、月1回か最新情報を発信する都度行ないます。こまめに更新することで新しい情報を常に発信できますし、「しっかり活動している会社なんだな」と信頼感を与えることも可能です。SEOの観点からも鮮度のよい情報を掲載することは大切なので、お知らせやお役立ち情報など定期的に更新するコンテンツを用意しておくのがおすすめです。お知らせやお役立ち情報など定期的に更新するコンテンツを用意しておくのがおすすめです。
ホームページのリニューアル作業の前に要件定義をしよう
ホームページのリニューアルに関する要件定義では、開発者の視点からリニューアルの要点をまとめ、具体的な進め方を決定します。リニューアルを発注する自社と、受注する制作会社との間で認識のズレが発生しないようにするため、とても重要な作業です。一般的には、ワイヤーフレーム・デザインの作成に取りかかる前や、仕事を依頼した初期の段階で決定します。
要件定義で整理する主な項目は、以下の通りです。
・現在のホームページの課題
・リニューアルする目的・方針
・KPI
・必要なコンテンツの数・内容・遷移先
・リニューアルしたホームページに搭載したい機能
・スケジュール
・予算
リニューアルを制作会社に依頼する際は、「RFP(提案依頼書)」という書類を発注者側が作成し、提出することがよくあります。要件定義に必要な情報も記載するため、依頼概要や要望を具体的にしておくことが大切です。
ホームページをリニューアルするメリット
既存ホームページの問題点の洗い出しや画像・文章といった素材の作成、制作会社との話し合いなど、ホームページのリニューアルには長い時間とたくさんの手間がかかります。多くのコストをかける分、リニューアルに成功するとさまざまな成果を上げられるでしょう。ホームページをリニューアルするメリットとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
MERIT -メリット-
- 企業イメージの向上・売上アップにつながる
- 自社の認知度を高められる
- 更新・修正がしやすいサイトになる
- 今まで蓄積していた情報を整理できる
- 資料請求や問い合わせ数の増加
どのメリットも、自社の業績アップに貢献できるものばかりです。意欲的に準備に取り組み、よりよいホームページを作りましょう!
企業イメージの向上・売上アップにつながる
企業のホームページのデザインやレイアウトには、ある程度の流行が存在します。ホームページが古いままだと、閲覧者に「少し見にくいな」「今も営業しているのかな」といった不満や不安を抱かせてしまうことも。そこで自社のホームページを新しいデザインに刷新することで、閲覧者には洗練された印象を与え、企業イメージの向上を狙えるのです。
また、自社が取り扱っているサービスの内容やブランドコンセプトを伝えやすくなり、売上アップにも繋げられるでしょう。会社の方向性とホームページの内容を一致させることで、想定しているターゲット層に的確にアプローチできるようになります。掲載する情報、ホームページのレイアウト、イメージカラーなどに気を配りながらリニューアルに取り組みましょう。
自社の認知度を高められる
近年はGoogle検索をはじめとした検索エンジンが発達し、サービスや商品を探す際に「ホームページ 制作会社」や「台所 リフォーム 東京」といったキーワードで検索する人が多くみられます。企業によってはこの状況を鑑みて、Google検索の上位表示を目標のひとつに掲げ、ホームページをリニューアルしています。
ホームページをGoogle検索で上位に表示させるために重要なSEOを意識する場合、コンテンツを充実させたり構造を最適化したりすると、上位表示を狙えるようになります。
またホームページのレイアウトをわかりやすくし、便利な機能を搭載することは、閲覧者の滞在時間を長くすることにも有効です。ユーザーがサービスや商品を検索する際、上位に表示されるほど目に入りやすいため、認知度の向上にも効果が期待できます。
更新・修正がしやすいサイトになる
近年は、専門的な知識や技術を持ったエンジニアでなくても、基本的な操作・更新・修正ができるシステムがたくさんあります。リニューアル前に制作会社へ運用に関する相談をしておけば、自社のスタッフでも簡単にホームページの運用ができるようになります。
コンテンツの追加や修正のたびに制作会社へ依頼する必要がなくなるため、運用コストの削減が期待できます。タイムラグを最小限に抑えて、最新情報をいち早く発信できるのもメリットです。
ホームページをはじめとしたデジタルコンテンツの管理をサポートするCMS(コンテンツ管理システム)を導入すると、さらに管理コストを減らせます。制作会社と話し合いながら、運用しやすいホームページを作りましょう。
今まで蓄積していた情報を整理できる
長年ホームページを運営していると、商品情報・事業やサービスの紹介文・リンク・画像データなどがどんどん蓄積されていきます。リニューアルする際は既存ホームページに掲載されている情報を整理する作業も必要なため、古い情報を廃棄し、分散していたデータをひとまとめにするのにちょうどよい機会です。
情報を取捨選択したり、不足している分を補ったりすることで、閲覧者の使いやすさやサイトの構造がグッと改善されます。加えて、どの情報がどこにあるのかわかりやすくなるため、サイトの運営のしやすさも向上させることが可能です。
ホームページをリニューアルするデメリット
ホームページをリニューアルすると企業イメージが向上したり社内で情報を更新したりしやすくなる一方、いくつかデメリットがあります。以下のようなマイナス要素も把握したうえで、自社のホームページでどのようなリニューアルをするか判断することが大切です。
DEMERIT -デメリット-
- リニューアルに携わる企業内担当者のリソースが割かれる
- アクセス数・認知度の低下の原因になる可能性がある
いずれもデメリットですが、綿密に準備を進めることである程度カバーできます。今回はデメリットの内容に加え、対策法も紹介します。
リニューアルに携わる企業内担当者のリソースが割かれる
既存ホームページの問題点の洗い出し、制作会社との相談、コーディング・開発など、ホームページをリニューアルするには多くの手順を踏まなければなりません。リニューアルの規模が大きいほど作業には時間がかかることを留意しておきましょう。
新しいホームページを作成する間は、会社内外の人とのやり取りも増加します。ホームページに掲載したい商品やサービスの情報に詳しい開発部・営業部の社員、サイト構築を担当しているエンジニア、サイトに掲載する写真を撮影するカメラマンなどと連絡を取り合う必要性が出てきます。
通常業務に加えてホームページのリニューアルに関する作業も行なうとなると、普段の仕事が回らなくなる可能性があります。ホームページをリニューアルする際は、社内でも担当のスタッフを数名確保し、役割分担を明確にしておくとよいでしょう。
アクセス数・認知度の低下の原因になる可能性がある
ホームページをリニューアルして閲覧しやすくなったのにも関わらず、アクセス数や認知度の低下の原因になる可能性がある点にも要注意です。主な原因としては以下のようなものが挙げられます。
・顧客が知りたい情報が不足している
・デザインを優先させたことでページ速度が低下した
・良かれと思って実施した変更がユーザーニーズとマッチしなかった
・一時的に検索順位に影響することがある
会社が発信したい情報と、顧客が知りたい情報は、必ずしも一致するわけではありません。顧客ニーズに応えられる情報が不足していると、次第にリニューアルしたホームページを閲覧する人が減り、認知度の低下に繋がることも。リニューアルする際は顧客ニーズをしっかりと分析し、自社が発信したい情報とのバランスを取ることが大切です。
また、設計ミスによりモバイル端末では閲覧しづらくなったり、リンク先に遷移できなかったりするケースも見られます。設計ミスは公開前のテストの時点で対処できるので、PC以外の端末でもレイアウトを確認し、リンクもすべて表示されるか隅々までチェックしておきましょう。
ホームページのリニューアルを依頼する業者の選び方のポイント
・同じ業界・業種・同規模の会社の実績があるか
・担当者とコミュニケーションを取りやすいか
・Webマーケティングに関する知見があるか
・セキュリティ対策ができるか
・運用についても相談できるか
・数社に見積もりを依頼して比較する
依頼する制作会社をすぐに決めるのではなく、3社ほど候補を挙げて相談・見積りをしたうえで、比較検討することをおすすめします。制作技術や実績だけでなく、連絡の取りやすさやアフターサービスも加味しながら制作会社を選んでみましょう。
おすすめ記事
ホームページのリニューアルにかかる期間
工程 | 期間の目安 |
---|---|
ホームページのリニューアルの目的と目標を設定 | 1~2週間 |
競合サイト分析 | 1~2週間 |
サイトマップ制作 | 2~4週間 |
デザイン・コンテンツ制作・コーディングなど | 4~8週間以上 |
リニューアルの規模が大きくなればなるほど制作期間も伸びるため、大規模なリニューアルであれば半年以上かかる場合もあります。
ホームページのリニューアルにかかる費用の目安
ホームページのリニューアルにかかる費用は、依頼する制作会社やリニューアルの規模により大きく異なります。制作するページの数やサポートの内容などに応じて、およそ数十万円〜数百万円の間を変動します。費用の目安を、以下の表にまとめてみました。
費用の目安 | リニューアルするホームページの特徴 |
---|---|
50万円〜 | ページ数が少ない簡易的なホームページ |
100万円〜150万円 | 必要な情報をコンパクトにまとめたホームページ (10ページ程度、お問い合わせフォームあり) |
150万~300万円 | オリジナルデザインを取り入れたの中規模のホームページ |
300万円以上 | 集客・ブランディングに力を入れた本格的なホームページ |
また、依頼先を制作会社にするか、個人(フリーランスなど)にするかでも予算の目安が変化します。一般的には制作会社の方が高く、個人は低い傾向にあるようです。ただし制作会社は費用が高いぶん、サポート体制が充実していたり、セキュリティが安心だったり、問題点の洗い出しから携わったりするところも多くあります。リニューアルの規模やサービスの内容をじっくりと検討し、納得できるところと契約を結んでみてください。
ホームページをリニューアルしてもドメインをそのまま使えるの?
基本的には、ホームページをリニューアルしてもドメインはそのまま使い続けられます。ドメインを変更する手間が省ける分コストの削減にもなりますし、ドメインパワーをそのまま引き継げるので、何か理由がない限りは変更しなくて構いません。もしドメインを変更する場合は、ドメイン移管・DNS変更の手間がかかることを留意しておきましょう。
ホームページをリニューアルするときの注意点
POINT -ポイント-
・リニューアル前に移行するデータを決めておく
・担当者・責任者をきちんと決める
・デザインを優先しすぎない
・閲覧者が知りたい情報を優先して掲載する
・リニューアル後も運用しやすい設計を心掛ける
ホームページのリニューアルを成功させるには、データの取捨選択や閲覧者のニーズ、リニューアル後の運用などにまんべんなく目を配ることが大切です。
リニューアル前に移行するデータを決めておく
既存ホームページの画像データなどは古く、サイズが小さい場合もあり、新しいホームページには流用できないケースがよく発生します。ホームページを制作するときは、データを新しいホームページに対応させるための作業が発生するため、あらかじめ移行するデータを決めておきましょう。既存ホームページのコンテンツが多い場合は早めに準備に取り掛かり、デザイン・コンテンツの作成までにはデータの選別を完了させることをおすすめします。
担当者・責任者をきちんと決める
通常業務の合間を縫ってホームページのリニューアルに携わっていると、確認漏れや伝達ミスなどが発生したり、日程に遅れが生じたりするリスクがあります。制作会社とのやり取りやスケジュール調整、レイアウトの決定権などを持つ担当者・責任者を自社のなかで決めておきましょう。
ホームページのリニューアルの担当者・責任者を決める際は、その人が今まで行なっていた仕事をサポートする人の選定も忘れずに。担当者・責任者になった人には制作会社との連絡や課題の分析といった新しい業務が発生するため、今までと同じ量の通常業務をこなせなくなる可能性があります。会社がいつも通り営業できる状態であるかも考慮しながら、リニューアルの担当者・責任者を決めてみてください。
デザインを優先しすぎない
競合他社をリサーチしていると、色使いがカラフルなホームページや、黒を基調としたかっこいいホームページなど、おしゃれなものがたくさん見つかります。つい「自分の会社も!」と思いデザインを優先しそうになりますが、肝心の閲覧者が使いづらさを感じないよう気を付けることが大切です。
新しいホームページのデザインを考えるときは、以下のような項目を優先してみてください。
・文字の大きさ・形
・ボタンの押しやすさ
・知りたい情報の探しやすさ
・ウェブアクセシビリティガイドラインへの配慮
「わかりにくいな」と閲覧者が感じてしまい、すぐにホームページを離れる人が大勢いると、検索エンジンでは上位に表示されにくくなる事態も起こり得ます。たまにホームページのリニューアルに携わっていない人に声をかけ、客観的な意見も取り入れながらデザインを考えてみましょう。
閲覧者が知りたい情報を優先して掲載する
会社が発信したい情報と閲覧者が知りたい情報は、必ずしも一致するとは言い切れません。会社としては自社サービスの魅力や素晴らしさを伝えたくても、閲覧者は料金・サービス内容・申し込みフローなどを知りたいことがあるのです。
会社の視点から一方的に情報を発信していると、閲覧者に「知りたい情報が載っていない」「サービスには興味があるんだけど、情報が足りないな」といった不満を抱かせてしまう可能性があります。
閲覧者が欲している情報を優先的に掲載し、会社が伝えたい事柄は全体のバランスを見ながら差し込むようにしてみましょう。閲覧者のニーズはアンケートを実施するほか、自社内での対策が難しい場合はマーケターが在籍している制作会社に依頼して分析することが可能です。
リニューアル後も運用しやすい設計を心掛ける
ホームページをリニューアルした後も、定期的に情報を更新したりコンテンツを増減させたりする必要があります。情報の追加・削除・変更といった簡単な操作は専門的な知識がなくてもできるよう、契約を結ぶ段階で制作会社へ運用しやすい設計を希望する旨を伝えておくことをおすすめします。一度リニューアルしたら3〜5年間はそのホームページを使い続けるため、運営側の使いやすさも確保しておきましょう。
ホームページのリニューアル完了後にやるべきこと
・ホームページがリニューアルしたことを告知する
・ホームページが正常に動いているか確認する
・新しいホームページのアクセス状況を分析する
・PDCAを繰り返す
リニューアルしたホームページの公開は新しいプロジェクトの始まりと考え、長い目で運営していきましょう。
ホームページがリニューアルしたことを告知する
ホームページのリニューアルは、自社を宣伝したりイメージを刷新したりするよい機会です。リニューアル前の公式ホームページやプレスリリースサイト、自社が運営するSNSなどを最大限活かして、ホームページが新しくなることを告知しましょう。
特にX(旧Twitter)・Instagram・FacebookといったSNSはユーザー数が多く、上手く宣伝すると多くの人の目に入ります。シェアしてもらえるとリニューアル情報が拡散され、アクセス数の増加も見込めるので戦略を練ったうえで活用してみてください。
また、ホームページがリニューアルしたことを告知すると、久々に利用した人が「あれ、別の会社だったかな」と離脱してしまうのを防ぐことも可能です。制作会社にデザインやコーディングをしてもらっている間に、自社では告知の準備を進めることをおすすめします。
ホームページが正常に動いているか確認する
公開前のテストでは問題なくても、公開してから不具合が発生するケースがあります。画面の表示が崩れていないか、ページ表示速度は遅くないかなどを定期的にチェックしましょう。
また、古いホームページから新しいホームページへのリダイレクト設定をしている場合は、正常に作動するかも要確認です。正常に作動しないと、古いホームページの評価を引き継げず、検索順位が低下する恐れがあります。またブックマークしていたページのURLが変わってしまい、「ページが見つかりません。」という画面が表示され、ユーザビリティの面でもマイナスになってしまうかもしれません。公開後にホームページの不具合が見つかったときは直ちに制作を依頼した会社へ連絡し、適切な対処をしてもらいましょう。
新しいホームページのアクセス状況を分析する
ホームページのリニューアルを計画するときに考えた目標を達成するため、アクセス状況の分析も忘れないようにしましょう。Googleアナリティクスをはじめとした専用のツールを用い、閲覧者の層・集客状況・よく閲覧されているページ・滞在時間・成約率などのデータ収集します。目標値やリニューアル前の状況と比較し、適切な対応を取ってみてください。
現状が思わしくない場合は、告知の強化やコンテンツの改善を試みましょう。リニューアルから時間が経過しても、定期的に分析して常に成果を上げられる状態にしておくのが理想です。自社で分析するのが難しいときは、アクセス解析をホームページの制作会社に依頼することも可能です。
PDCAを繰り返す
新しいホームページを公開できたら、リニューアルの作業がすべて完了するわけではありません。ホームページのリニューアルは、問い合わせ数の増加、売上の上昇、認知度の向上といった目標を達成することを目的に実施している会社が多いはずです。新しいホームページが効果的に機能しているか、PDCAを繰り返しながら随時改善を試みましょう。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の頭文字を組み合わせた言葉です。PDCAを繰り返すことで、サービスや業務内容を改善したり、段階的に目標値へ近づいたりできるとされています。
シスコムのホームページリニューアル例
株式会社シスコムが今まで携わったホームページのリニューアルのうち、代表的なものをいくつかピックアップしました。リニューアルの目的や具体的なリニューアルの内容なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
味の素ファインテクノ株式会社様は、電子機器・電子材料・機能化学品などを製造している味の素グループの会社です。既存サイトをトレンドのデザインに刷新し、デジタルマーケティングを強化することを目的にリニューアルを行ないました。
リニューアル後のホームページは、デザイン性の向上やブランドイメージの反映を経て、デジタルマーケティングをしやすい構成に。企画構成の段階から制作に携わらせていただいたため、理想通りのホームページのリニューアルができました。
社会福祉法人 育桜福祉会様|採用サイト
社会福祉法人 育桜福祉会様は、神奈川県川崎市で障害がある方への福祉に特化した事業を展開している団体です。閲覧者にとって使いやすい構造にすることとブランディングを目的に、採用サイトをリニューアルしました。
リニューアルの際は掲載内容や構成の段階から打ち合わせを行ない、導線の明確化や別ウィンドウでの表示などを提案。デザイン面では大切なボタンをわかりやすく表示したり、イメージカラーの緑を取り入れたりすることで、ユーザビリティの向上と組織イメージの定着ができるようになりました。
チャイルド本社様|サービスサイト
チャイルド本社様は、子ども向けの絵本・図書・教材・遊具の製造や販売を手掛けている会社です。最新の販売内容やサービスの反映、新規作成したECサイトとの連携、教育者に向けた訴求の強化などを目的にリニューアルを実施しました。
リニューアルではコンテンツの追加や導線の明確化、デザインの統一も行ない、オリジナリティのあるホームページへと生まれ変わりました。リニューアル後は営業職が自社サービスの訴求のために活用するほか、ECサイトとの連携によりプロモーションの幅の拡大にも成功しています。
株式会社ポニーキャニオン様|オウンドメディアサイト
株式会社ポニーキャニオン様は、CDやBlu-rayの製造販売、映像・映画・アニメの制作などを手掛ける総合エンターテイメント企業です。デザインを一新し、モバイルファーストのサイトにすることを目的にリニューアルすることになりました。
制作時はメニューの精査やSNSへの導線の見直しを通し、閲覧者が使いやすいデザイン・導線になるよう提案。カテゴリをわかりやすく分類するほか、スマホ表示したときは追従メニューが表示されるようにし、メディアサイトならではの見やすさを工夫しました。
ホームページをリニューアルを円滑に進めて会社の競争力を強化しよう
今回は、ホームページのリニューアルの進め方やメリット・デメリット、注意点などをまとめて解説しました。ホームページをリニューアルするにはたくさんの工程が必要なため、早め早めに動き始めて計画的に準備することが大切です。
自社内だけで作業するのが難しいときは、ホームページの制作会社に声を掛けてみましょう。制作会社によっては、問題点の整理やサイトマップを作成する段階からサポートするところや、アフターサービスが充実しているところもあります。
株式会社シスコムは、東京に拠点を置き、ホームページの制作を行なっている会社です。ホームページの無料診断やZoom等を使用したオンライン対応も可能ですので、自社のホームページのリニューアルを検討されている際はお気軽にご相談ください。