発注側が行なう重要ポイントを確認しよう ホームページ制作依頼の流れを徹底解説!依頼後の注意点も紹介
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ホームページ制作を会社へ依頼しようと検討しているものの、具体的にどのような流れで依頼すればいいのかわからないという方も多いでしょう。なんとなくで制作会社を選んで丸投げしてしまうと、無駄な費用がかかってしまったり、期待しているようなホームページにはならなかったりすることがありますので、ホームページ制作を依頼する場合は制作依頼の流れを正しく把握するべきです。
そこでこの記事では、ホームページの制作を依頼する時の流れや、発注側が気を付けるべきことなどについて詳しく解説していきます。
目次
ホームページ制作の依頼・発注までの流れ
ホームページ制作の依頼から発注までの流れは、以下のようになります。
1. ホームページ作成の目的を明確にする
2. ホームページ制作依頼を担当するチームを立ち上げる
3. RFPを作成する
4. 依頼範囲と予算を明確にする
5. 制作会社を探して見積もりを依頼
6. スケジュールを確認する
7. 見積もりや提案を確認して依頼する会社を選定・発注
それぞれ、どういうことなのか詳しく解説していきます。
1. ホームページ作成の目的を明確にする
まずは、何を目的としてホームページ作成を依頼しようとしているのかを明確にします。
ブランディング
SEOによる検索エンジンからの集客
コンバージョン重視のLP
採用サイト
コーポレートサイト
上記の通り、ホームページ作成の目的は様々であり、何を目的とするかによってホームページのデザインや機能が大きく変わってきます。また、目的によって依頼すべき制作会社も変わってきます。コンバージョン重視のLP作成が目的ならば、LPに特化した制作を行なっている会社を選ぶべきでしょう。
このように、目的に応じてホームページの作りから依頼すべき制作会社まで大きく異なりますので、ホームページ作成依頼の第一段階として、「何を目的としたサイトなのか」を明確にすることは欠かせません。
2. ホームページ制作依頼を担当するチームを立ち上げる
以下の項目で詳しく解説しますが、ホームページ制作を依頼するまでの流れや、発注が完了した後には様々な工程があり、納品が終わるまである程度長い期間を要することが多いです。その間には、仕様変更や機能追加などが発生することもあり、何かと対応すべき作業があるため、発注側はホームページ制作依頼を担当する専任のチームを立ち上げておくとよいでしょう。
ホームページ制作に関する作業や確認について基本的にこのチームがすべて担当し、重要な要件や費用関連のことについては権限を持った人を必ず通す、といった体制を構築しておくと、ホームページ完成までの流れがよりスムーズになるはずです。
3. RFPを作成する
前述の通り、最初の段階で目的やターゲットユーザーを明確にしなければ、統一感のない中途半端なホームページになってしまう可能性があります。こうした事態を避けるために、ホームページ作成依頼前には「RFP」を作成しておくようにしましょう。RFPとは「提案依頼書」のことで、発注側が抱えている課題や、ホームページ作成の目的、要望や目標などをまとめた資料です。発注側が作成したRFPをもとに、制作会社が課題解決や目標達成のための提案を行ないます。
「そんなことは口頭で伝えればよい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、口頭だけでは伝え漏れや聞き漏らしが発生し、言った・言わないというトラブルへ発展してしまう可能性があります。しかし、口頭での説明と合わせて資料として形にして互いに共有しておけば、認識の齟齬が起こる確率を大幅に減らすことができます。不要なトラブルを避けつつ、思い描いていたようなホームページが完成するよう、面倒であっても丁寧にRFPを作成することが重要です。
4. 依頼範囲と予算を明確にする
制作会社へ依頼する前に、どの程度までホームページ作成を依頼するのか、といった範囲を決めておきましょう。例えば、サーバーやドメインの準備なども含めてすべて一括で依頼するのか、デザインだけ依頼するのか、記事だけ依頼するのか、といったような形です。依頼範囲が多くなればなるほど当然予算も膨らむので、自社で対応できる作業はできる限り自社内のリソースで対応した方がよいでしょう。
また予算についても、相場を把握した上で上限を決めておくべきです。ざっくりとした予算感で依頼してしまうと、仕様の追加や変更などでどんどん費用が膨らんでしまうこともあり得ます。そうならないように、あらかじめ予算の上限は明確にしておきましょう。
5. 制作会社を探して見積もりを依頼
RFPを作成し、依頼内容や予算も決まったら、次は制作会社選びです。ホームページ制作会社には、それぞれ特色があります。ブランディング重視のサイト制作が得意な会社もあれば、コンバージョンに繋がりやすいLPの制作が得意な会社など、それぞれの制作会社ごとに強みが異なりますので、自社の目的に合った制作会社を選ぶようにしてください。
なお、制作会社選びの際に重要なのが、1つの会社だけに見積もりを依頼するのではなく、必ず複数の制作会社を候補に挙げて相見積もりを取る、ということです。複数の見積もりや提案の内容を比較検討しなければ、コストパフォーマンスや提案の優劣を判断することができません。
相見積もりの適切な件数ですが、3~4社ほどがよいでしょう。他社との比較が重要とはいえ、比較対象をあまり増やしすぎても手間がかかってしまいますし、混乱にも繋がってしまいます。制作会社の公式HPで充分な下調べをしてから、気になる数社を厳選して見積もり依頼をするとよいでしょう。
また、依頼内容が明確でない場合は概算見積もりとなるため、依頼する作業範囲が確定したら再度正式な見積もりを取り、自社と制作会社の作業範囲をしっかり線引きしておくことが重要です。
なお見積もりの金額は、制作会社からの「提案」があるかどうかによっても変わってきますので、その点も注意しましょう。何も提案がなく、必要最小限の機能しか想定していない見積もりは安いですが、クライアントのニーズを踏まえた提案が盛り込まれた見積もりは当然高くなります。したがって、単純に見積りの金額だけを比較するのではなく、見積もりに提案が含まれているかどうかもご確認ください。
ホームページ制作会社の選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご参照ください。
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6. スケジュールを確認する
見積もりや提案などで制作会社とやりとりしている際に、ホームページ作成のスケジュールについても確認しておくべきです。特に、キャンペーンに合わせた公開目標日があるような場合は、日程的に間に合うかどうかのコンセンサスを得ておかないと、公開日が遅くなってしまったことでせっかくのキャンペーン効果が薄れてしまうという事態も起こりかねません。
ホームページの種類や作成予定のページ数によって、スケジュールは大きく変わってきます。例えば、10ページ以上のコーポレートサイト制作ならば3か月ほどかかるのが通常ですが、LPであれば内容によっては最短1か月ほどで納品できることもあります。ただ、これらの期間はあくまで目安であり、依頼内容によってスケジュールが前後するため、納品までのスケジュールについては制作会社にしっかり確認するようにしてください。
7. 見積もりや提案を確認して依頼する会社を選定・発注
各社の見積もりや提案内容を吟味しつつ、担当者ともやりとりを重ねながら、必要であれば「見積もり範囲の確認」や「提案書や提案デザインについてプレゼン」をしてもらい、ベストだと思える1社を選定し、発注します。
中でも提案内容については特に重視すべきで、自社が抱える課題をどのように解決してくれるのか、目標達成のための施策はあるのか、といったことについて具体的な方法とその効果が盛り込まれている見積もりを用意するような制作会社がおすすめです。提案に関しては、制作会社の力量によって大きく差が出る部分ですので、じっくり吟味するようにしてください。
また選定の際には、営業担当者の対応についてもしっかり見ておくべきでしょう。
POINT -ポイント-
メールの返信や電話の折り返しが早い
コミュニケーションが取りやすい
言っていることに一貫性がある
一つひとつの対応が丁寧
こういった営業担当者がいる制作会社ならば、社内教育が行き届いており、知識や経験が豊富である可能性が高く、制作物に関してもレベルの高いものが期待できます。逆に上記のようなことができていない担当者であれば、制作を担当する社員たちの質にも不安が残ります。
制作会社を選ぶ際は、見積もりの金額や提案内容、営業担当者の仕事ぶりなどを総合的に判断するのがベストです。
ホームページ制作の流れ
ここからは、依頼完了後にどのような流れでホームページ作成が進むのかといった点について詳しく解説していきます。
ヒアリング
まずは制作会社によるヒアリングからスタートします。制作会社は、より質の高い提案ができるように、発注側の要望や抱えている課題などについて詳細な聞き取りを行ないます。発注側としては、この機会に「イメージするホームページの構造」・「理想とするデザイン」・「組み込みたい機能」などについて詳しく伝えられるようにしておきましょう。モデルとなる参考サイトなどがあれば、それを提示するのも有効です。
サイト設計
ヒアリングから得られた情報をもとに、制作会社側で全体的なサイト設計を行ないます。具体的な作業としては、「サイトマップ」と「ワイヤーフレーム」を作成していきます。
サイトマップとは、サイト全体の作りや構造が一目でわかる地図のようなもので、どういったコンテンツがどの階層にあるのか、どういうカテゴリが存在するのかについてわかりやすく伝えるものです。ワイヤーフレームは、記事単位での設計書のようなものであり、ページレイアウトやコンテンツ配置などについてまとめられています。
ユーザーに配慮した使いやすいサイト設計やナビゲーションは、満足度や利便性が高まるためWebサイトの目的達成を促進し、情報を分析しやすい構造になることで検索エンジン最適化(SEO)にもつながる要素として評価されるためとても重要です。
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原稿や素材の準備
サイトマップやワイヤーフレームといった「ホームページの骨格」が決まったら、次はホームページに掲載する原稿を発注側で用意し、制作会社へ渡します。
原稿は、自社商品やサービスについての記事であれば自社の人間の方が詳しいことから、できれば自社のリソースで対応した方がよいでしょう。自社内にそのようなリソースがない場合は、費用を追加し、制作会社を通してプロのライターに依頼するという方法も有効です。プロのライターが執筆した原稿であれば、自社商品やサービスの魅力がしっかりと伝わるような文章が期待できます。
また、文字やテキストの原稿だけでなく以下のような素材の準備も必要となります。
会社ロゴ
写真
イラスト
動画
音素材
グラフなどの数値資料
これらについても、自社での対応が難しければ制作会社にある程度は依頼することが可能です。
サイトデザイン制作
発注側からの原稿を待つ間に、制作会社側では、ワイヤーフレームに沿ってデザインを制作していきます。デザインは、ヒアリングから得られた発注側の要望や、モデルサイトの作りを参考にしながらWebデザイナーによって制作されます。
デザイン制作については、いきなり完成までもっていくのではなく、段階的に制作していき、都度発注側の確認を取る場合も多いです。途中で発注側のイメージとは違ってきた場合には、再びヒアリングの場を設けて方向性の修正を図りつつ、完成を目指します。なお、デザインに関する大幅な仕様変更が発生した場合は、追加費用がかかることもあるので要注意です。
なお、デザインの確認は現場の担当者レベルで進行させてしまうとのちにトラブルの元になりますので、あらかじめ決裁権を持っている上司などにしかるべきタイミングで確認・確定させた上で制作会社へ修正依頼するようにしましょう。
現場の担当者内で進行させてしまうと、決裁権のある人に確認した際に「イメージしていたデザインと違う」などの理由からやり直しになってしまう可能性があります。現場の混乱やスケジュール遅延を招くことになりますので、「担当者レベルで進めない」・「決裁権のある人を明確にし、都度確認しながら進める」ということを社内で共有しておくようにしましょう。
デザインがFIXしてコーディングに進んでいた場合は、スケジュール遅延だけでなく追加のデザイン費用が発生する懸念もありますので、工程ごとに確認することも重要です。
サーバーやドメインの準備
ホームページをインターネット上に公開するためには「サーバー」と「ドメイン」が必要になります。ざっくりと簡単に説明すると、サーバーはネット上のホームページのデータの保管場所で、ドメインはその住所のようなものです。
この作業は、発注側・制作側のどちらが担当してもよいのですが、発注側にサーバーやドメイン取得に関する知識がある人材がいるならば発注側で対応して、難しければ制作側へ依頼するとよいでしょう。なお、後々の運用・保守のことを考えて、仮に自社内にリソースがあった場合でも、最初から制作会社に依頼するという方法もあります。
ホームページ制作中は仮のサーバーで構築を進めて、公開直前に本サーバーに移行させるケースがよくあります。サーバーやドメインの契約や切り替えなどの段取りも事前に打ち合わせておきましょう。
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コーディング
デザインが完成し、ホームページを公開するためのサーバーとドメインも用意できたら、いよいよコーディングに入ります。コーディングとは、作成したデザインが実際にホームページ上で問題なく表示されたり、組み込んだ機能が正常に動作したりするように、フロントエンドエンジニアがHTML/CSSやJavaScriptなどの言語で実装することです。
この作業は完全に制作側が担当するので、発注側としては特に行なうことはありません。
動作や表示のテスト
コーディングが完了したら、まずは制作会社のテスト環境で動作や表示のテストを行ないます。問題なく動いたら、発注側でもテスト環境のまま表示確認を行ない、CMSなどの投稿機能がある場合はテスト投稿も試すなどして、想定通りのホームページになっているか確認します。
なおこれらの最終確認の際は、1つのブラウザだけではなく、様々なブラウザを使って確認します。Google Chromeでは問題なく動作したもののSafariやFirefoxでは正常に動かなかった、というようなこともあり得ます。またパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどの端末での確認もしておくべきです。
なお、一度双方での最終確認が完了となってから、意図したものとは違う動作やバグが見つかっても、無償での修正に応じてもらえない場合がありますので、最終確認については慎重にじっくりと行ないましょう。
サイト公開・納品
発注側・制作側の双方でテスト環境での表示や動作を確認した後は、本番環境へファイルをアップロードしてサイトを公開します。ここでも双方で最終確認を行ない、問題なければ納品完了となります。
運用・保守
ホームページは、公開して終わりではありません。コンテンツ追加や既存コンテンツの更新作業、アクセス解析などの運用作業も必要となります。また、セキュリティ対策、CMSのバージョンアップ、一時的にアクセスが集中した際の負荷分散などといった保守作業も欠かせません。
ホームページの規模や用途に応じて、運用・保守作業についても制作会社に委託するかどうかを決めるとよいでしょう。
流れを理解してホームページ制作依頼をスムーズに!
以上、ホームページ作成を制作会社へ依頼する際の流れを中心に、制作会社側でのホームページ作成の流れや、制作会社の選び方について解説しました。
正しい依頼の進め方を理解することで、スムーズな制作依頼が可能となり、それだけホームページ完成までの日程も短縮されます。特に、最初にホームページを作成する目的を明確にし、質の高いRFPを用意しておくことは重要です。
また制作会社を選ぶ際は、1社に絞るのではなく、必ず数社の候補を選んで比較検討するのも忘れないようにしてください。
ホームページ制作会社を選ぶ際は、デザインの良さや見積もりの価格だけでなく、ユーザーの使いやすさや目的達成を第一に考えた提案や設計・構築、そしてコミュニケーションが取りやすく、長く付き合っていけるような担当者がいるかなど、多角的な視点から検討するようにしましょう。
●シスコムのホームページ制作の流れはこちらからご覧になれます。
ホームページ制作の流れ
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この記事のまとめ
- ホームページ制作会社への依頼時は、目的を明確にした上でRFPを作成しておく
- 予算を抑えたい場合には、自社でできることは自社で対応する
- 制作会社を選ぶ際は、必ず数社の候補を選んで比較検討する