企業のSNS戦略 SNS運用における重要なポイントはPDCAを回し続ける事
- 公開日
この記事は7分ほどで読めます
近年、SNSマーケティングは企業において外せない要素のひとつとなっています。多くの人がSNSを利用するなか、消費者の購買プロセスは多様化しており、ただ「人とつながる」というSNSの目的だけでなく、商品やサービスの情報収集のツールとしての側面も強くなっています。
SNSを用いることで、企業とユーザーが双方向のコミュニケーションを取ることができるため、商品・サービスの認知拡大や販売促進に大いに役立てられます。まさに、これからの時代に不可欠なアプローチ手法といえるでしょう。
ただし、SNSを適切に運用するためには、ユーザーの反応や動向といったデータ分析が必須です。効果測定を実施してPDCAを回さなければ、十分な効果が得ることはできません。
そこで本記事では、SNS運用におけるPDCAサイクル実施方法や注意点について解説します。「SNS運用がうまくいかない」「これからSNS運用を視野に入れたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
SNSマーケティングが注目される理由
今や多くの企業が、自社の情報発信やブランディングのためにSNSを活用しています。SNSマーケティングが注目されている背景には、従来の「広告の課題」があります。
インターネットやスマートフォンの普及拡大によって、多くのユーザーがメディアやSNSを利用する時代となったいま、「広告手法の多様化」が進んでいます。リスティング広告やリターゲティング広告など、ユーザーニーズに応じた広告配信を行ってきた企業も多いのではないでしょうか。
しかし、Webサイトを見るたびに表示される誇大な広告は、ユーザーに不信感を与えることも少なくありません。ユーザーの興味や関心を刺激し、信頼を得るためには、誇大な広告でアプローチするのではなく、直接的なコミュニケーションが不可欠といえるでしょう。
こうした「広告離れ」に対応するために注目されているのが、SNSマーケティングです。
あらゆる商品が市場に溢れるいま、消費者が求める商品を選ぶことは難しくなりつつあります。その点、SNSでは第三者の声や評価を知ることができるため、ユーザーに「信頼性のある情報」として受け入れやすくなります。
また、SNSは従来のメディアよりもリアルタイム性があり、企業とユーザー間の相互コミュニケーションが可能です。SNSを通じて最適なアプローチを実施することで、関係性を構築して、販促やブランディングといった効果も期待できるでしょう。SNSの利用者数が拡大傾向にあることからも、企業にとって無視できない施策といえるでしょう。
SNSのユーザー分析が重要な理由
「ユーザーがどのような点に惹かれたのか」「何に興味を持っているのか」「自社そのものについてどのようなイメージを持っているのか」などを具体的に知ることで、最適な施策を講ずることができます。
また、SNSアカウント分析を行うと、それぞれの投稿に対するユーザーの反応を数値化できます。「なぜ効果が出たのか」あるいは「なぜ反応が得られなかったのか」など可視化することで、課題を改善するための一手につなげることができます。
SNSを通じて得られたユーザーの意見や体験をマーケティングに生かすためにも、ユーザーデータを分析し、改善や修正を繰り返してブラッシュアップしていくことが重要です。
SNS運用のPDCAとは
PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善)の頭文字をとった言葉で、継続的な品質の改善を促す手法です。ビジネスやWebマーケティングなどの基本ともいわれています。
SNS運用においては、ただ一方的に情報発信をするだけでは、十分な効果を期待できません。ユーザーの反応を分析したうえで、販促やブランディングにつながるよう、企画やコミュニケーションの内容を改善していく必要があります。ユーザー目線に立ったうえで、継続的なPDCAサイクルを回しましょう。
PDCAの方法
SNS運用におけるPDCAの回し方を見ていきましょう。
Plan(計画)
まずは目標となるKGI・KPIを設計します。良い結果・悪い結果を数値化し、解決したい課題や改善箇所を明確にしましょう。ターゲット層が利用するSNSを選び、配信するコンテンツやキャンペーンなどを検討します。
Do(実行)
Planで定めた目標を達成するために、さまざまな施策を実行します。計画した基本施策をベースに、新しい施策を併行して進めましょう。一度ですべての施策を実行せず、一つひとつの進捗度や結果を記録することが重要です。
Check(検証)
設定した目標が達成できたか、計画通りに施策を実行できたかを検証します。良い結果が得られた場合、あるいは得られなかった場合の要因を分析し、数値化するのがポイントです。新たな課題や利点が見つかれば、次の投稿に生かすことができます。
Action(改善)
Check段階で分析した課題について、改善策を検討します。効果が期待できる施策については継続し、改善が必要な点は修正します。ブラッシュアップした施策がうまくいかないときは、施策の変更や中止も検討しましょう。
facebook,instagram,twitterアナリティクス・インサイトの見方など(初級向け)
SNSアカウントを分析する場合は、各SNSに設置されている「インサイト」を利用します。ユーザーの反応を数値化されたデータで読み取ることができ、簡易的にユーザー傾向を知ることができます。
ここでは、FacebookとInstagram、Twitterのアナリティクス・インサイトの見方を解説します。
Facebookインサイトで確認できることは、フォロワーの推移やリーチ数、ページビュー数、ユーザーのアクション動向などです。
■インサイトの確認方法
・Facebookのページ上部「インサイト」をクリック
・「概要」ページで、ページビューやリーチなど確認できます。
Instagramでインサイトを確認するには、ビジネスアカウントに変更する必要があります。
■ビジネスアカウントへの変更方法
・Instagramアプリの「オプション」より、「ビジネスプロフィールに切り替える」をクリック
・Facebookアカウントと連携した上、メールアドレスや住所、電話番号を入力
■インサイトの確認方法
・投稿の下にある「インサイトを見る」をクリック
・いいね数やリーチ数、プロフィールへのアクセス数などを確認できます。
Twitterのアナリティクスは、アカウントがあれば誰でも利用できます。
■インサイトの確認方法
・確認したいツイートをクリック
・「ツイートアクティビティを表示」をクリック
・インプレッションやメディアの再生数、エンゲージメント総数などを確認できます。
運用の注意点
SNS運用で注意しておくべきポイントは、以下の3つです。
POINT -ポイント-
・ゴールと方針を明確にすること
・炎上対策を整備する
・長期的な運用を行う
まず注意したいこととして、「ゴールと方針を明確にすること」が挙げられます。何事もゴールとそれに向けた方針を明確にしなければ、適切な施策を考えることはできません。SNS運用で何を成し遂げたいのか、そのためにどのような施策を打つのかについては明確化しておきましょう。
次に炎上リスクです。SNSはその拡散性の高さゆえ、情報がすぐに広まってしまいます。ネガティブな情報が広まると事業に影響が出てしまう可能性もあるため、投稿前には十分に内容を精査することが重要です。SNSリテラシーへの理解を深めること、SNS運用の責任者を決めることなど、炎上を未然に防ぐ対策が必要です。
最後は、基本的に一番重要になる長期的な運用です。SNS運用は、一度の施策で効果が得られるものではありません。現状の課題を把握したうえで、ユーザーが興味を持つ魅力的なコンテンツを発信し続ける必要があります。長期的に運用することで、ユーザーとの関係性を構築し、ファン化や集客につながります。仮説検証を繰り替しながら、継続的にPDCAサイクルを回すことを意識しましょう。
ファン化や売上につなげるために分析ツールを効果的に活用
SNSマーケティング運用を効果的に行うためには、PDCAを回して分析・改善を繰り返すことが重要です。ファン化や売上につなげるために、分析ツールを効果的に活用しましょう。「SNS運用のノウハウがなく、何から始めてよいかわからない」「社内でリソースを確保できない」という方は、シスコムまでご相談ください。
おすすめ記事